アダルトチルドレン「ヒーロー」を克服するには?

今回は、アダルトチルドレンのなかでも「ヒーロー」タイプについて、お伝えします。

 

アダルトチルドレンのヒーローとは「いい人・優等生」タイプのこと。

真面目、できる人、努力家、責任感が強い、という感じで、周囲から頼られることも多いです。

 

でも、その頑張りすぎてしまうクセが自分を追い詰めてしまい、人間関係が苦しくなってしまうのです。

この記事では、そんなヒーロータイプの克服方法について、お伝えします。

アダルトチルドレンのヒーローを克服するには、完璧主義をゆるめること。

ここに焦点を当てていきましょう。

 

なぜならヒーロータイプの生きづらさには、完璧主義が大きく関係しているからです。

実は、多くのヒーロータイプの方が「完璧にやらないと・・・」という無意識の思み込みを持っています。

そのため、少しの失敗でもひどく落ち込んでしまう。

また、「他人からどう思われたんだろう」と、いつも不安がつきまとう。

さらに、相手にも完璧を求めてしまうため、すぐにイライラして、人間関係がうまくいかないことも、よく起こります。

 

では、そんな完璧主義をゆるめるにはどうするか?

ヒーロータイプの特徴とあわせて、克服方法をお伝えしていきます。

まず、ヒーロータイプは、以下のような家庭で育ったことが多いです。

親が不安定な家庭
アルコール依存、精神的に不安定、ケンカが絶えないなど。
子どもが「自分がしっかりしなきゃ」「この親のようになってはいけない!」と思いやすい環境。

親が子どもに期待をかけすぎる家庭
親から「いい子でいてほしい」「優秀でなければいけない」と強く望まれる。
失敗や弱さを見せられなかった。

子どもが親の役割を担う家庭
本来は親がやるべき家事や、弟・妹の世話を任される。
家族を支えながら、頑張ってきた。

このような環境で身につけてしまうのが完璧主義の傾向です。

たとえば、

・いつも相手の期待に応えようとする
・常に「いい人」でいようとする
・本当はつらくても「大丈夫」と笑顔でがんばる

 

一見すると立派に見えますが、心の中はいつも不安でいっぱい。

「失敗したらどうしよう」
「頼まれたことを断ったら嫌われるかも」

そんな思いにとらわれてしまうため、

・小さいミスでも強い自己否定をしてしまう
・全部自分で背負い込み、心身ともに疲弊してしまう
・他人からどう思われているか常に気になる
・断りたいのにNoが言えない

といった生きづらさを感じやすいのです。

 

だからこそ、完璧主義をゆるめることで

・相手の期待通りに生きなくてもいい
・弱さを見せてもいい

「それでも周りから十分愛されるんだ」と気づくことで、

人生が一気にイージーモードになっていくのです。

では、ここからは、完璧主義をゆるめるための方法をお伝えしていきます。

①完璧主義のメリット・デメリット比較

まずは、完璧主義のメリット・デメリットを比較していきましょう。

【完璧主義のメリット】
・努力家で信頼される
・仕事で成果を得られる
・物事の習得が早い
・頼られるとうれしい

【完璧主義のデメリット】
・心が疲れやすい
・弱さを見せられない
・失敗を極端に恐れる
・すぎイライラしてしまう
・自己肯定感が低い
・常に何かに追われている

これらは一例ですので、自分が思いついたものを紙に書くことがポイントです。

そして、当然デメリットの影響で、今の苦しさが起こっていると思うのですが、実は、メリットもあるということがわかります。

 

②自分をねぎらう

そんなメリットがあったからこそ、

・あのとき成果を出せた
・ここまでやってこられた

という部分もありますよね?

実は、あなたが歩んできた道のりを支えてきたのも「完璧でいよう」とする気持ちだったんです。

だから大切なのは「これまでの自分を責めること」ではなく、まずは「よくここまで頑張ってきたね」と自分をねぎらうこと。

そのうえで、これからは少しずつ力をゆるめていくことです。

 

③完璧主義の「ねばならない」を知る

次に、完璧主義の裏側にある、たくさんの「ねばらない」という信念を探っていきます。

たとえば、

期待に応えねばならない(人の期待を裏切ること=存在価値を失うこと)

人より優れていなければならない(優秀でないと愛されない)

私が頑張らねばならない(私がやらないと物事はうまくいかない)

全員に好かれなければならない(嫌われる=存在価値がなくなる)

「できない」と言ってはいけない(頼れる人でないと愛されない)

 

この「ねばならない」をゆるめていくことが、ヒーロータイプの克服につながっていきます。

ポイントは、信念を「完全に手放す」のではなく、「ちょうどいい加減にゆるめる」ことが大切です。

 

よくある落とし穴として、「完璧主義を完璧に手放さないと!」と考え、また100か0かで苦しくなってしまうこと。

なので、以下のように考えてみてください。

期待に応えねばならない
→この信念を完全に手放さなければ  ✖
→期待に応えるに越したことはない ○

完璧主義はメリットもあるため、完全に手放さなくても大丈夫です。

「期待に応えるに越したことはないけど、まぁでも無理なときもあるので、それはそれで良いかくらいで考えておくのが丁度いい具合なんです。

 

④わざと完璧じゃない行動をやってみる

そして、実際に「完璧でなければならない」をゆるめるための具体的な行動をしていきます。

2つ、ご紹介しますね。

 

一つ目は、
✅ あえて小さなミスをしてみる
です。

小さなことでいいので「完璧じゃなくても大丈夫」という体験をしてみましょう。

たとえば
・上司の誘いを断ってみる
・資料に小さなミスがあったけど、そのまほまにしておく
・家が散らかっているけど、明日まで放っておこう

あえて、いつもと反対の行動をやってみることで、断っても関係が崩れなかった、仕事に大きな影響は出なかった、家族はいつも通り笑っていた。

そんな体験を積み重ねることで「完璧じゃなくても、いつも通りの毎日があるんだ」と安心できると思います。

 

二つ目は、
✅ 弱音を吐いてみる
です。

あえて苦手なことやコンプレックスを話してみましょう。

・実は人見知りなんです。
・人前で話すのが苦手なんです。

弱さを見せても、あなたの価値が下がることはありません。

むしろ人間らしい魅力として伝わることが多いのです。

すると不思議なことに、弱さを見せた自分の方が「親しみやすい」「なんだか安心できる」と好かれるようになるんです。
こちらの記事も参考になります。

この感覚さえつかめれば、人生はイージーモードに突入していきます。

 

ですので、今回紹介した
・あえて失敗してみる
・弱音を吐いてみる

を是非やってみてください。

 

ほかにも、完璧主義を克服するには、様々な方法や工夫があります。

ただし、ここには書ききれないので、もっと深く知りたい方は、ぜひカウンセリングであなたに合う方法を一緒に探していきましょう。

・ヒーロータイプは、頑張る人なので頼られる存在

・でも無理をしすぎて生きづらさを感じやすい

・克服のカギは「完璧主義をゆるめること」

・自分をねぎらい、弱音を吐き、あえて失敗をしてみることから始めよう

あなたが「ヒーローを降りても大丈夫」と思える日が来るよう、心から応援しています。